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ラジオで三河弁を話したぞん
◆岐阜ラジオに出演!◆



 2000年の夏、突然、e-mailがあって、岐阜放送(岐阜ラジオ)「神田卓郎のまーへー3時半?」って番組の「三河弁特集」に出演することになってしまいました。最初の話では、生電話出演で、放送日は7月21日(金)・24日(月)・26日(水)・27日(木)・28日(金)の5日間。いずれも午後4:20頃から10〜15分の予定でした。しかし、実際は高校野球地区大会決勝・都市対抗野球の放送のため、26(水)・27(木)の放送は中止になり、28日は予定通り。実質3日間の出演になりました。生まれて初めての体験でした……。

出演裏話(?) 21(金)放送メモ 24(月)放送メモ 28(金)放送メモ


◆出演裏話(?)

★アポイントメント(7月7日)

 岐阜ラジオの「神田卓郎のまーへー3時半?」って番組で、岐阜弁や方言の話を扱っていて、そこで、少し集中して三河弁を扱いたいから、出演してもらえないかと、スタッフからe-mailがあったのは、7月7日の七夕のことだった。

 岐阜ラジオはこっちでは入らない。どんな番組かわからなかったけれど、「まーへー3時半?」というタイトルで知れるとおり、コテコテのローカル番組だと思った。わたしのホームページを見つけてくれて、e-mailで依頼があったとなっては、趣味は?と聞かれて、「ネットワーカー」と答えているわたしにとって、断る理由はない(笑)。というわけで、わたしの岐阜ラジオの生出演(ただし電話で!)の道は始まった。

 ところが、とある事情で、わたしの方から局の方へFaxで連絡先を教えなければならないということだった。このアポをとってきたスタッフの極めて私的な、そして、異例の事態なのだが、こういうきっかけでこの話をうけてしまったところに、何かいわくがあったのかもしれない。

★夜の電話(7月17日)

 7月17日夜、番組パーソナリティーの神田卓郎氏から直接電話が入る。いろいろと打ち合わせ。放送を聞いてないわたしにとって、どういう要領かまったくわからず、そこが最大の不安。その場でリハーサルもどきもやっていただいて、ま、こんなくらいならなんとかなるかなと安心……。それにしても、ラジオのアナウンサーというのは、本当に発音というか、発声がきれいである!電話でこんなきれいな発声の人ははじめて聞いた! その美しさに、ついついOKを連発してしまった(笑)。今思えば、それが、5日間もの出演をOKするということに……。

★「台本」書き(7月17日〜)

 そこからわたしの「台本」書きが始まった。「台本」といっても、神田氏の言葉まで書く訳ではない。わたしが、三河弁として紹介する単語と用例をメモ書き程度で書き並べておくだけである。「放送用メモ」と言ったほうが正確なのだけれど、ま、「台本」なんて呼んでみたくなる。

 正直、5日間のネタ作りは結構大変だった。ま、それを一息で作り上げてしまおうというのも無理だったところもあるし、なるべく、「へぇ」と言わせたいという気持ちもはたらいて、最初はちぃと力んだけれど、無理なく自然に、わたしが聞いたことのあるものなどを紹介することにした。それはわたしのページを見直すいいきかけにもなった。なるべく、用例を用意してページ作りをしていこうと思った。

 というわけで、このページは、わたしにとっての「台本」を公開するところ。性質上、放送が終ったものからアップしていく。「放送後の覚え書き」も書き添えておくが、あくまでどちらも、「メモ」であって、このとおりに放送が運んだわけではないことも書き添えておく。

★放送初日のハプニング(7月21日)

 17日夜の電話の打ち合わせでは、21日の午後3時に打ち合わせの電話をもらえるということだったんで、わたしは用事を早々とすませ、3時5分前に帰宅。電話の前で、メモとボールペンを片手に待機……。ところが、電話は一向に鳴らない……。実は先日電話の不調でNTTに来てもらったばかりだから、その点相当ナーバスで、自分のケータイから自宅に電話して、電話機の調子を確認したりしてみる(笑)。普段そんなことはまずやらんに〜。

 ついに、出演予定時刻の4:20まで、電話なし……。うーむ、これはぶっつけ本番か〜、恐いなぁと思いながらも、もう、腹を据えたのだけど……、あいかわらず電話なし。おいおい、「高校野球の決勝でも入ったのかな〜」と新聞のラジオ欄のチェックまでする……(笑)。……ちゃんと、やってるじゃん! そして、とうとう、出演終了予定時間の4:30になっても、なんの音沙汰もなし……。

 このまま、出かけるわけにもいかんし……、と、こちらから岐阜ラジオに電話することに。
「もしもし、豊川市の群竹ですが……、まーへー3時半の……」
「はぁ?」……。
 そりゃそうだ、これで通じるほどわたしは有名ではない。
「今日、4:20から三河弁についてしゃべれと言われている……」
 そこまでいうと、すぐに通じた。
「お〜い、三河弁の人から電話だぞ……」
「切り替えろ〜」……。
 なんだか妙に慌ただしい……。

「すみません、神田が忘れておりまして……」
 ……忘れていた? おいおい、気楽過ぎる〜。ローカル過ぎる〜。……後で思ったが、これは「神田氏がうっかりコーナーをとばしてしまった」と、スタッフが瞬間的に理解しての言らしい。わたしはスタッフ間の連絡ミスかと思っていたが……。後日、神田氏自身から電話をいただき、打ち合わせ時の局側の電話の不調で、打ち合わせができなかったんで急遽予定を変更したということだった。ま、長いことなさっているのだから、そういうこともあるだろう。

「では、この後入りますので、一端電話を切ってお待ちください……」
 ってことで、もう、そのまんま本番突入〜。むしろ、上がる間もなく、自然体で対応できて、怪我の功名だったかも。

 ちょっとアセった、その割にうまくいった、放送初日でした。

★夜の電話2(7月23日)

 23日夜、神田氏から直接電話。26・27日の両日に、高校野球の岐阜大会決勝、都市対抗野球などの放送予定があるため、わたしの出演はとりあえず中止となった。また、先日の「電話なし事件」については、局の電話の不調ということのお詫びとわたしが後ればせながら電話をしたことについて感謝された。こちらも楽しくやっていると返事をして、その他の打ち合わせ。「宿題」の打ち合わせも。中止となったものを、8月に繰り越して出演が可能かどうかの相談もあった。

★放送2日めも……(7月24日)

 24日、午後4時20分近く、予定通り、スタッフから電話があった。やった! 今日は予定通りだ……。少し大袈裟だが、とても安心した。

 今日は、宿題を準備してあるし、あとは、前と同じ要領でやればいいから、ま、緊張といっても特にない。おおむね、予定通りに進んだ。そうそう、第1日とちがったことは、げんげんという愛知県と岐阜県の県境に生まれたという女性が相手役として出演していたことだ。いったい、どういうセンスをしているのだろう、このネーミング……。げんげんだって……、へんなの、と思わないでもなかったが、そもそも、人の名前を変だなどというのは、女性に年齢をきくのと同じくらい失礼なのだ。もちろん、わたしはそんなことはしない……。

 さて、順調に用例を示して、宿題の時刻となった。わたしは、かねて、打ち合わせの通りの言葉「おとましい」とその用例を紹介した。げんげんも「わからない……、聞いたことがない」というわけで、かなりいい線の出題だった。と、神田氏から質問があった。
「これは、群竹さんは使いますか?」
「いいえ、使いません」
「わりと、お年寄りが使うことばなんですね」
「はい」
「群竹さんははじめて聞いたときわかりましたか?」
「いいえ、わたしにもわかりませんでした」
「群竹さんも、わからなかった! そうですか。それは。失礼ですが、群竹さんはおいくつですか?」……。

 それは、敗北だった……。わたしは、まさか、年齢を告白するはめに陥るとは……、うかつだったぁ……。

 いいか、神田さん……、女性じゃなくても、年齢を聞いたらいかん時ってはあるんじゃぞぉ。

★放送3日めも……。(7月28日)

 28日昼ごろ神田氏から、ケータイに電話をいただいたのだが出られず。「出演可能なら一度電話を欲しい」という内容の留守番機能もうっかりチェックしてなかったので、スタッフ側としてはヒヤヒヤだったのかもしれない……。こっちは、そんなことを知らないから、午後4時20分近くに電話があって、予定通りだと思っていた。(ゴメン>神田さん&スタッフ)。電話は番組のCM中で、そのまま本番に突入とということになった……。いささか、打ち合わせが不十分だったかな〜と思うが、ま、あの初日に比べれば、なんてことはないのである(笑)

 番組では、まず、先日の宿題の解答確認から。Faxでよせられていたうちの数枚を、わたしも電話越しにいっしょに聞き、正解を発表した。もう少し解説を用意していたのだが、それを話していいものやら、ラジオというのはわかりにくい。ま、解答の紹介でいこれだけ時間を使っているのだからあっさり済ませた方がよいだろうと、こちらで判断し(余裕があるな〜)、正解だけにする。

 この日の神田氏のアシスタントは、げんげんではなくて、あいちゃんだった。宿題の解答で時間を使って、用例の紹介は少し。



◆7月21日(金)放送メモ-

・神田さんから、わたしの紹介をしていただく。
 【放送後メモ】>「どのくらいの語彙がありますか?」といわれて、知らなかったもんだから、はったりで、「1000語くらい」と言ってしまった。ほんとは、いくつくらいだろう……。

・サイトの紹介はわたしからする。
 http://www10.freeweb.ne.jp/area/mulatake/mikawa.html
 「いべんせかい」という言葉で検索してもらうといいんです。
 【放送後メモ】>このサイトの紹介はなし。翌日以降か……。

・「はい」
 「もうはい3時半?」とか「まぁはい3時半?」とか、こうなるんです。
 思いがけなく早くできた時に、
 「なんだんやぁ、まぁはいすんだだかん?」
 「はい終わっただかや。」
 【放送後メモ】>最初の用例。岐阜でも使うという返事。

・「のん」・「のんほい」
 東三河と西三河。東三河独特の言い方として、「のん」
 「ねえ、ムーミン、こっちむいて」
 「のん、ムーミン、こっちおむきん」
 「のん、ムーミン、こっちむいておくれん」
 「のんほい」とか、「のんほえ」と呼びかけるんですね。
 【放送後メモ】>このムーミンの用例は出すことができず、残念。

・「おぼと」「おぼとう」
 冬に縁側でおばあちゃんが呼ぶんです。
 「やい、さぶいでおぼとにおいでん」
 【放送後メモ】>岐阜では使わないということで、これは◎。

・「やはい」
 子どもが喧嘩なんかして、まだ仲直りできてない。
 喧嘩相手の子が机の角などに、ゴツンと肘でもぶつけて、痛がっている。
 そんなときに、喧嘩相手に向かって言うんです。
 「やはい、やはい」とか「それみろ。やはいだ、やはいだ」とかいうわけです。
 【放送後メモ】>これも、岐阜でも使わない。しかし、説明で「形容動詞かも」といってしまったのは、わたしのミスかも。神田氏のいったように、「やーい」と囃し立てるというほうが正しいかもしれないと反省。

・「けなるい」
 「となりの子あんまりうまそうにアイスクリーム食べとるもんで、
  うちの子ががけなるそうな顔でみとるじゃんね」
 【放送後メモ】>これは岐阜でも言う。用例を出すに及ばず。

・宿題を出す。
 【放送後メモ】>金曜日というのはわたしの勘違いだった。次週月曜日に!



◆7月24日(月)放送メモ

・「金を壊す」
 これは用例はいらないでしょう。お札を出して、「これ壊して」というんです。
 「くずす」というのが共通語らしいんですけどね。
 案外、共通語だと思っているんですよ。辞書などで調べると、「壊す」というのは文語形というか、古い形なんです。古い言い回しが方言として残っているとも言えるでしょう。
 【放送後メモ】>これは、岐阜でも使う。

・「おっちょい」
 子どもが夜、一人でトイレへ行こうとしたら、窓の外で風で木がガサガサ、
 「おかあちゃん。おっちょいよ〜」  っていうのです。
 これは幼児語でしょう。大人は「おそがい」と言いますよね。
 「恐ろしい・恐い」ってことですね。
 【放送後メモ】>「おっちょいよ〜は、岐阜では使わない。「おそがい」は使うらしい。

・「ぬくとい」・「くさんぼこ」
 冬から春になる頃ですね。
 「だんだん、ぬくとくなって、くさんぼこにも虫が多くなったぞん」
 【放送後メモ】>「ぬくとい」が伝わったんで、用例はなし。


・「ぼっくう」
 「ぼっくばっかりで、先生もたいへんだのん」
 わんばくな子ども。男の子です。動詞で「ぼっくうする」なんてふうにもいいまして、「子どもが悪さをする」ようなことをさします。
 【放送後メモ】>これは◎。岐阜でも使わない。

・「いじと」
 運動場で遊んでいる時に、ボールが飛んできて、女の子に当たった。
 ぼっくうが走って、謝りにきたけれど、どうも態度がへんなんで、
 女の子が、そのぼっくうに向かって
 「いじとやっただらぁ」
 【放送後メモ】>これも岐阜でも使わない。いい感じ。

・「呼ばる」
 隣のうちにいくと、小さな子どもが玄関に出てきた
 「おい、ぼく、おかあさんはおるかん。ちょっとよばっとくれん」
 普通は「呼ぶ」を使う。
 【放送後メモ】>これ岐阜でも使う。

・「よくどー」
 パチンコを終えて一言。
 「よくどーこいたもんで、よかぁなかっただん。あそこでやめとったらなぁ」
 「おい、よくどーいうな。これでもいいほうだぞん」
 【放送後メモ】>これは岐阜では使わないがニュアンスは通じる。


●宿題を出す。

 「おとましい」という言葉ですね。
・これは、山仕事で村の人たちが話してたの耳にしたんですが、
 「今じゃぁ、軍手も安いもんだい、1〜2回使って汚れると、
  それで捨てちゃうことだってある。おとましいのん」
 「なんでもそうだのん。まだ使えるのに捨てるというのはおとましいのん」
・「軍手をいっぺんかにへんつかったぶんで、ほのままふてちゃうはおとましいのん」
 【放送後メモ】>これはどのくらいの年代の方が使いますか、といわれて、わたしもわかりませんでしたというと、群竹さんはおいくつですかと言われてしまい、失敗、年齢を公表してしまった(笑)
 そんなこと……。打ち合わせになかったじゃないか(笑)>神田さん。



◆7月28日(金)放送分

●宿題の解答発表
 「もったいない」という意味ですね。
 解説:「気の毒」という意味でも使うようです。そういうことからすると。「惜しい」という意味にもなるかとも思うんです。
 ・「軍手をいっぺんかにへんつかったぶんで、ほのままふてちゃうはおとましいのん」→「軍手を一度か二度つかっただけで、そのまま捨ててしまうというのはもったいないねぇ」
 【放送後メモ】>数通の紹介があったけれど、ほとんどが「もったいない」で正解。「惜しい」でも、文脈上○だと思うが。「いまいましい」という解答も紹介されたが、これは正解といいにくい。

・「うら」
 「裏の黒板」ですね。
 あるいは「うらの席があいとるで、あっちにせまい」

※共通語では「前⇔後ろ」「表⇔裏」なんですが、三河弁では「前⇔うら」なんです。教室で先生に近い席は「前の席」、これに対し教室の後ろの方の席は、「後ろの席」という人もいますが、それはもうほとんどが「うらの席」と言うです。で、立派に共通語だと思って使っています。
 世代を超えて広く残っている三河弁の一つだと思っています。
 【放送後メモ】>これは少し反則だったかな。神田さんは「そういえばそうですね……」って感じ。わたしはこういうのが好きです。

・「つくなる」「つくねる」
 ・うらの女の子が道端でつくなっとったもんだい、声かけてやったじゃん。
 ・そこいらじゅうに、のいだ服がつくねてある。
 【放送後メモ】>あいちゃんが「うずくまる」と正解! エライぞあいちゃん!! 自動詞「つくなる」と他動詞「つくねる」を解説。

・「いじゃ」
 「今日は潮がええで、仕事が終わったら、釣りにいじゃ」
 「いじゃ、いじゃ。早くいじゃ。」
 【放送後メモ】>これは用例でわかるが、なかなか珍しいんで、◎印。「いこまい」「いかまい」などとは言わないのかと神田さんから質問があった。これはいい質問。そうも言うが、「○○まい」は他の動詞について使えるが、この「いじゃ」は他の言葉で使っているのを聞いたことがない。

・「なり」
 リンゴを食べるとしましょう。
 「皮むいてないけど、きれいに洗ったるで、そんなりお食べん」
 【放送後メモ】>これはわりと広いのではないかということだった。そうかもしれない。